設計士
木材の調達が難しくなり、工期や価格に影響が出そうです。
2021/3頃に担当の設計士さんから言われた言葉です。
全てはここから始まりました。
今回は、家づくり真っ最中の私たちが経験しているウッドショックの影響とそれによって家を建てることへの心が折れかけた話です。
巷をにぎわせているウッドショックの影響について、我が家の場合のリアルな金額や工期への影響を実例交えてお伝えします。
- 注文住宅を建てた30代夫婦
- 2021/11引渡し予定 ⇒済み
- ウッドショッカー(自称)
- ブログは家づくりの思い出 &
- 学びや経験談の備忘として活用
- 「知らなかった」を減らしたい
ウッドショック終了?木材の先物チャートと企業物価指数からウッドショック見通しを考察。|マグブログ (magmagblog.com)
ウッドショックとは何ぞや
まずはウッドショックって何?という方へ簡単にご説明します。
ここでは非常にかいつまんで書いています。
あくまで分かりやすさ重視で!(という言い訳)
そのため、もっと詳しい内容が知りたいという方は専門家のコメントを参照してくださいね。
新型コロナウイルスの影響で海外産の木材が入ってこない(入ってきても高値という)八方ふさがりな状況
理由をかいつまんでご説明すると、
- 欧米の住宅市場が旺盛
(なぜ?→)在宅するぞ!DIYするぞ!金利安いから家買うぞ! - 輸送コンテナが足りない
(なぜ?→)1度コロナで混乱したから簡単にはコンテナの流れ元に戻らないっすよ… - 日本メーカーが買い負けしている
(なぜ?→)そりゃ中国などの大国が高く買いますって言えばなかなか勝てないよな~
オイルやリーマンのショックは聞いたことあるけど、ウッドもあるんかい…
最初のころはそんな軽い気持ちでした。
なぜならいち早く(確かTwitterで)ウッドショックという言葉を知った私が担当の設計士さんに確認した際、
建売などの2×4工法には影響が出ていますが、マグさんのお宅にはおそらく影響ないですよ
と言われていたから。
そしてそこから1か月後、恐れていた事態となってしまいます。
「分からない」のオンパレード
木材の調達が難しくなり、工期や価格に影響が出そうです。
我々は、
- 木材が入ってくる見通しはどうか
- どれくらい価格が高騰する可能性があるか
- 仮に今は見通せないとしてもいつ頃には見通せるようになるのか
といったことを聞きましたが、すべて「分からない」とのこと。
そもそもモノ(木材)が入ってこないので何とも言えないようだ、と説明を受けました。ただ、最善の努力はするとのお言葉をいただいたので吉報を待つことにしました。
その時は、「もう注文住宅で家づくりするとか言ってる場合ではないのでは」と相当ブルーになりました。
正直、「気持ちは分かるけど私たちはあなた達にしか頼れない。直接卸取引されている業者と交渉することもできなければ、価格の見積もりもできない。
そんな私たちが唯一頼れるあなた達に「分からない」と言われたらどうしたらよいのか」と言ってしまった気がします。
今思うと、設計士に悪いことをしてしまったかなという気持ちです。
だって設計士も分からないんですものね。
いつ家が建てられるか
残念ながら、
いつでも大丈夫!気長に待つよ!
というおおらかな心は持ち合わせていません。
したがって、工期が分からないと困ります。
特に私たちは少し特殊な状況でした。
- マンションからの住み替え
- しかもマンションは売買契約済み
- そして引渡し時期は元々言われていた工期から更に余裕をもって設定していた
正直、引渡し時期が半年以上先という理由でお断りされたケースもありました。
しかし、マンションの売却に不利でも引渡し時期を半年以上先に設定した理由はただ一つ。
「引越しを1回で済ませたいから」
そらそうですよね。それがいつになるか分からないと言われればお先真っ暗です。
いくら価格があがるのか
値札のない数千万円の買い物をできるほどの胆力は私にはありません。
総額がどれほどになるか、それが分からないならせめて「リスク目にみてどれほど上がる可能性があるか」がないと判断できません。
どれくらい上がるか分からない、読めないと言われたときは頭が真っ白でした。
その後「リスク目にみて1割程度かと見込んでいます」と言われ、
1割!!?建物が3,000万円程度だと300万円の増額?!!
と震えましたがそうではなく、「構造部分の木材に対して1割」とのことでした。
ウッドショックの影響は、我が家の場合、構造部分の木材に対してのみ。
ちなみに30万円くらいあがるかもと言われた。
ちなみに「何だ30万円程度か」と思った方は、家づくりの沼にどっぶり嵌っていますよ。
結果:価格上昇と工期延伸というダブルパンチ
その後紆余曲折ありまして、契約時点の我が家のウッドショック影響をお知らせします。
取引業者を変えるなどあの手この手を駆使するという建築士事務所の努力により、何とか傷は最小限にとどまった。
傷の深さは以下の通りです。
①価格は30万円ほどアップ
最小限の傷といいつつ、当初言われていたリスク目の上限までいってしまいました。
元々見積書に織り込まれていた1割アップは飲まざるを得なくなったものの、取引枠を抑えられたのでこれ以上あがることはないと言われ一安心です。
とはいえ、言わずもがなですが30万円は大金。
希望の家を叶えるため、住宅設備は強弱をつけようとあれだけ夫婦で話し合って不要な設備や仕様をカットした日々は何だったのだろうという額です。
30万円は、オプションで海外製の人気食洗器(ミーレやガゲナウ)もしくはガス乾燥機の乾太くんが導入できるレベルです。
(木が手に入れば)上棟まで約1ヶ月となりました。
今のところ、30万円程度の増加で決着しそうだと設計士より言われております。「もっと安くなればいいですね~」とも言っていたので僅かな希望を持ち続けています。市況価格が落ち着いているようですので。
今の方が影響額の傷口は開いているよう(2021/8/24更新)
設計士いわく、「今の方が上昇額大きいですね…」とのこと。経済紙や地方紙でも大きく取り上げられていることから、事態は深刻さを増しているのでしょうか。コストアップによる工期延伸は、施主が泣くだけでなく、大工さんや左官屋さんにも影響が大きいので1日も早い正常化を望みます。
②工期は1.5~2か月後ろ倒し
どちらかと言えばこちらの方がショックでした。
次に入ってくるコンテナの枠のうち、キャンセルがでれば前倒しは可能かもしれないと言われているのでわずかな望みをかけたいと思います。
「引越しどないすんねん」
と内心は思いましたが、そこは半年以上お付き合いをしてきた方々なので理解してくれています。
何をしてくれたかというと、本来は実施する内覧会などはすべてカット。
外構は間に合わないかもしれないけど、検査まで済ませて住める状態にはするとのこと。(それがどんな状態かは施主の私には全くイメージ湧いてません)
当初、8月のお盆明けに上棟予定でしたが2週間ほど早まって、8月上旬には上棟できそうな風向きです。そろそろ正式発注とのことより、ここから大どんでん返しはないと思われます。(そう信じたい)
無事に上棟を迎えました!!!(2021/8/24更新)
ウッドショックの影響でどうなるか危ぶまれましたが、無事に上棟を迎えました。立派な木材によって建て方が進むのを見て、何だか感慨深くなってしまいました。上棟の様子は下の記事をご覧ください。
おかげ様で無事に引越しました!
引越し当日の大トラブルはこちらをcheck!!
家づくりで大切にしたことはこちら。
(参考)なぜギリギリの枠に滑り込めたか
当初、あれだけ「分からない」の一点張りだったにも関わらず、どのようにして枠を確保したか。それは、取引先を変更してくれたようです。
そこまでしてくれるのかと少し驚きましたが、早めに危機を察知して複数の業者にあたってくれていたようです。本当に感謝です。
マグさんからマンションの売買契約書を見せられていたので、何とかしないと思ってました。ギリギリ1枠確保できて良かったです。
人気の建築士事務所なので私たちの後続として多くの着工待ちのお客さまがいるようですが、その方たちには「工期未定」としか言えないとのこと。
不幸中の幸いとはまさにこのことですが、正直、ラッキーなのかアンラッキーなのか未だに良く分かりません。
①タイミングが良かった
私たちは5月に契約したのですが、実際は4月の早いうちにはほぼ仕様が確定していました。
そのため、早めにアクションをかけられたようです。荒業ですね。早めに卸取引業者と交渉できたことが功を奏したようです。
②影響が比較的少ないエリア
これは初耳だったのですが、卸売業者は全国で総量を管理しているのではなく、エリアごとに管理をしているようです。
私たちのエリアは、関東や関西に比べて卸売業者の在庫に僅かに余裕があったため何とか滑り込みで枠を確保できたようです。
ちなみに当然と言えば当然ですが、関東や関西は他エリアの比にならないほどひっ迫しているようです。
まとめ:誰も悪くない
- およそ30万円アップ
- 2か月程度の工期延伸
- 「未定」という状況は回避
- 次回輸入分の枠を何とか確保
- 奇跡的かつ、超不幸中の幸い
- 一連のすったもんだを経験し
- 非常にメンタルがすり減った
- けど思う。きっと
- 工務店は悪くない。
- 多分、誰も悪くない
(便乗商法を企む業者除) - 今、インフレに苦しんでる人
- 何とか前を向いてほしいです