今回は、ウッドショックの見通しについて。
いや、そんなもの分かりますか?と思ったそこのあなた。
その通りです。分かりません。(もし完璧に見通せる力があるのであれば、今頃、私は億万長者)
なので、あくまで推察の域はでないものの、限られたデータ(木材の先物チャートや企業物価指数)から推察してみます。
コロナ影響で木材の価格が大幅に高騰したウッドショック。
私は家づくりの真っ最中にウッドショックが発生し「価格高騰してもやむなし。払います」という誓約書にサインをして家を建てました。
そんな経験をした私だからこそ、ウッドショック見通しが気になったので今回まとめました。
お時間許す方はご笑覧ください。
ウッドショックは落ち着いた?
先日の日経新聞にこんな記事が出ていました。
木材先物下落、ウッドショック前水準に 米住宅需要減: 日本経済新聞 (nikkei.com)
木材の先物価格が下落していること、その水準がウッドショック前並みになっているというものです。
実際にウッドショック影響を大きく受けた私は驚きました。
設計士
そんな簡単には木材価格は下がらないでしょうね。
家づくりをしているとき、イケてる一級建築士にこんなことを言われた私は、「いや、めちゃ下がってきてるじゃん!」と思いました。
では、ウッドショックは落ち着いてくるのでしょうか。
以下、私なりに2軸で考察したいと思います。
価格の観点
ウッドショックが何を指すか、にもよりますが大きく2つあると思います。
ひとつは価格の高騰、もうひとつは物流の混乱です。実際に私はどちらの影響も受けました。
価格は数十万UP、物流は、港湾を変更してもらうなど万事を尽くしていただいたことで回避できたものの木材が入ってこないかもというスリルを味わいました。
まずは価格の観点から見ていきます。
木材先物チャートの推移
以下が、木材先物チャートの推移です。
確かに、チャートではコロナ前に回帰しています。
急騰して、急落。なんという値動きでしょうか・・・。
背景には、米国の利上げによる金利上昇で、米国の住宅市場が冷え込んでいることもあるでしょうね。
世界的に景気悪化の一途をたどる現下では、再び2020年のような急騰をすることはなく、横ばいかむしろ減少していくのではないかとすら思います。(素人意見)
企業物価指数の推移
木材の先物チャートは上述の通り、コロナ前に戻っています。
では、それを受けて、木材価格が消費者の私たちにとってメリットと感じるほど下がるのか。
それはNOだと思います。想像してみてください。
一度値上がりしたものって、なかなか値下がりしませんよね・・・。
ということで、日銀の企業物価指数をチェックしました。
木材・木製品という類別で抽出した結果です。
2022年夏をピークに頭打ち、その後、下降傾向であるように見えます。
そのように見えますが、果たしてどこまで下がるのか。
もちろん先物チャートに遅れて連動することは間違いないでしょうが、コロナ前の水準には戻らないのではないかと思います。
悲しいですが、あらゆるものが高騰・値上げとなっている今の状況では、期待しない方が精神安定上良いかというのが持論です。
物流の観点
それでは、物流の観点からはどうでしょうか。
「木が日本に入ってこない!」という当時の状況が繰り返されることはないのでは、と思います。
当時は、コロナで世界的な物流の混乱(コンテナ不足)があり、かつ、旺盛な米国住宅市場の影響もあり、木の取り合いになっていたようです。
実際に私が家を建てていた時も、いつコンテナが入ってくるか見通せないという状況でした。思い返すだけでゾッとします。
しかし、今は、コンテナ不足が完全に解消されたかは分からないものの、そもそも世界で木の取り合いが起きているといった状況ではないと思います。
先ほどのチャートを見ても、需給のバランスが一致してきたからこそ、下降局面に入ってきたのであって、再び大きな混乱になる可能性は低いかと。
以上より、再び、物流の混乱が生じる可能性は低いと考えます。
では、いつ家を買うべきなのか。
きっと、2020年時にウッドショック影響で家を買うことをあきらめた方もいるかもしれません。
あと数ヶ月遅れていたらきっと同じ状況であっただろう私も決して他人ごとではなく、大変な時代に家を建ててしまったな、と当時は思っていました。
何か、損をした気分というか。
しかし、結局あれから2年以上が経過して、木の値段はピークアウトしたかもしれませんが、その他の商材は軒並み値があがっています。
2021/10月の引渡しの際に、建築士事務所の方から「今、全く同じ家を建てようと契約したら、きっと百万円以上は上がるでしょうね」と言われました。
今ならもっと上がっているでしょうね。本当に家の買い時は分かりません。
「欲しいと思った時が買い時」なんて聞くこともありますが、私の判断軸は、家族が後悔しない選択かどうか、に尽きると思います。
そんな取り留めのない結論になりましたが、今日はこのあたりで終わります。
ありがとうございました。