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【PPAモデル】新居で太陽光発電システムを導入しなかった理由

サンサンとした営業マン

新居で太陽光発電システムを導入しますか。

クリーンエネルギーなうえに売電収入もGETできるのでお得ですよ。

悩みやすい夫婦

う~ん、どうしようかな。確かに最近建てた先輩の家にも太陽光載っているしなぁ。

けど蓄電池も一緒じゃないとあまり意味がない気もするし、初期投資もかかるから悩ましいな。

新居で太陽光発電システムの導入要否を悩まれる方は多いと思います。

実際に私たちも悩みました。

今回は、

今時点では導入しないものの、将来的には搭載できるように荷重計算をしてもらう

と判断した理由をご紹介いたします。

これから新築をご検討されている方で、太陽光発電システムを導入するかお悩み中の方に少しでも判断のネタを提供することを目指します。

この記事を書いている人
  • 建築士事務所で注文住宅を建設中の30代夫婦(住宅業界とは無関係)
  • どちらかと言えばエネルギー業界の方が近い
  • 家づくりを始めてから再エネや脱炭素に興味をもつ
  • こだわりの注文住宅は2021/11引渡し予定
  • 過去の自分たちのように悩んでいる方に少しでも参考になればという老婆心

結論:2つの理由。①収支面、②PPAモデル

それでは早速結論から。

なぜ導入を見送ったかというと、大きく2つの理由があります。

  1. メーカのシミュレーションで向こう10年間の収支がトントンだったから
  2. PPAモデルに興味があるから

これから解説をしていきますが、まずは「PPAモデル」って何ぞや、という点を簡単に説明します。

PPAモデルとは、Power Purchase Agreementの頭文字を取ったもの。

かいつまんでいうと、太陽光発電システムを自分たちで購入せずに販売業者が無償で取付けをすること。ただし、売電収入は販売業者に入り施主は「自家消費分」のみ恩恵を享受できる。イメージは下図の通り。

①シミュレーションで収支トントン

今回、我が家に太陽光発電システムを導入した場合の年間の推定売電量や推定経済効果をシミュレーションしてもらいました。

結果、収支トントンになりそうだ、ということが分かりました。

大きな要因としては「固定価格買取制度によって約束される売電単価の低下」があります。

2021年度における10kW未満の売電単価は、19円/kWhです。制度開始当初である2012年度の42円/kWhと比べると大きく低下していることが分かりますね。

もちろん、太陽光発電システムの導入コストも安くはなっているものの、それ以上に売電単価が下がっているので売電収入目的で入れるのは少し厳しいかなという判断をしました。

我が家の見積もり結果。

・導入コスト:約130万円(5.5kW程度)

・見込み収入:約14万円/年間。※自家消費相当のメリットも含む

固定価格買取制度では、10kW未満の太陽光は10年間買取価格が固定されるので見込み収入×10年で大体トントンです。

ただし、10年間一定の発電効率というわけでもないでしょうから、正直マイナスが大きいかなと感じました。

シミュレーションの前提(電気料金単価や売電単価)はしっかりと確認してください。当たり前ですが、メーカは売りたい側なのでこのあたりの数字をごにょごにょしている可能性があります。

②PPAモデルへの興味

PPAモデル自体は先ほど図解したので何となくご理解いただけましたか。しつこいですが再度載せます。

このモデルの最大のメリットは、無償で設備を導入できるという点です。加えて、PPAモデルを採用している会社の多くは、10年間の買取期間終了後は設備を無償譲渡してくれます。

ではなぜ、私たちが最初から導入していないのかというと住んでいるエリア(田舎)では取り扱い業者が少ないから。

何とも悲しい結末です。

しかしながら、昨今のカーボンニュートラルへの風向きを踏まえると、今後このような事業モデルはどんどん拡大して競争が加速すると(個人的には)読んでいます。

したがって、もう少し待って市場が活性化してきたら乗っかるかという考えです。

そのため、将来的に太陽光発電システムを導入できるような荷重計算をお願いしたという訳です。

弱気な施主

あの~、今は入れませんが将来的に太陽光を載せられるようにしたいんですけど。

イケてる設計士

もちろん、そうだろうなと思って既に考慮済みですよ。

あと電気自動車の専用コンセントも屋外に設置してますので。

さすがイケてる設計士。施主満足度がうなぎ上りです。

(余談)
固定価格買取制度の単価があがることはまずあり得ないので、このようなモデルも選択肢にあると幅が拡がります。

カーボンニュートラルに関する動きは今度加速していくので、もしかすると補助金も増えるかもしれませんね。

個人的には「蓄電システム」に対する手当が厚くなるのではないかと思っています。

まとめ:太陽光を導入するといっても選択肢は色々ある

  • 太陽光発電システムの導入=固定価格買取制度のみではない
  • PPAモデルのほかに新たな形態がでてくるかも
  • そのため、最初導入しなくても「将来的には載せられるような荷重計算」をしてもらうのが得策
  • 家族のライフスタイルと売電量は意外と密接に関わる(日中家にいる人が多ければ自家消費の恩恵大きいなど)
  • 脱炭素社会に住宅太陽光は不可欠のような論調なので今後の動きにも注視したいところ